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浜松がタケノコの大産地に?竹のパワーで浜松をもっと活性したい。

浜松ものづくりプロジェクト運営事務局

今年(現在2019年)の7月から8月にかけて一部飲食店にて、「竹ストロー」のトライアルテストが行われていたのをご存知ですか。世界的にも廃プラ削減に向けての取り組みが進む中で、浜松での一風変わった取り組みに興味を惹かれ、「竹ストロー」の仕掛け人にお話を伺ってきました。

お話を伺ったのは、ふじのくに竹王国企業組合の理事長を務められる大石さん浜松市役所 農業水産課の前野さん。「竹ストロー」を入り口にお話を伺い、見えてきたのは「浜松の竹林にまつわる問題」と「竹が浜松にもたらす未来の可能性」でした。

 

ふじのくに竹王国企業組合

「ふじのくに竹王国企業組合」は、浜松で竹を資源とした産業の創出、竹林の再生を行う企業組合です。前身である有志団体「浜松里山竹クラブ」として活動を行なっていましたが、2018年の12月に新たに企業組合を立ち上げ、新たに産業化を見据え、私たちと竹を結ぶ活動をしています。

同組合は7名の組合員で結成されていて、みなさんそれぞれに特殊な技術を持つ技術集団なんですよ。
理事長の大石さんは、「超硬チップソー」という特殊な丸鋸を取り扱う丸大株式会社の代表取締役でもあります。

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丸大株式会社では、超硬チップソーの他にも竹関連の機械のレンタルなども行なっています。
木材よりも繊維のしっかりしている竹は普通の刃物で切断しようとすると磨耗が激しく難しいところがあるそうです。丸鋸を取り扱って40年来、竹を対象にしてきたという大石さんは、竹を切ることにおいてのプロフェッショナルなんです。

刃物においての竹加工のプロとして、大学などの研究機関から相談を受けることもあるそう。

 

竹ストローをきっかけに知った竹林の現状

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竹ストローの取り組みを知って、大変面白いと思ったのですが…
前野さん
竹ストローの取り組みは竹を使った活動を皆さんに知っていただく認知活動の一環として行いました。ちょうど、廃プラ削減のことが世論的にも盛んだった時期だったものですから、話題にのぼりやすいのかなと。「大石さん、竹でストローってできるんですかね。」とご相談いたしましたら「できるよ。」って言っていただいて。
大石さん
本来、私たち組合がやりたいこととは少し違いますが、竹をストローにするというのは、親しみやすいですし、私どもの活動を少しでも知ってもらえる入り口になればと思い、取り組みました。実はね、竹ストローに使っているのは「矢竹(ヤダケ)」といって笹の一種なんですよ。(笑)
笹だったんですか!(笑)竹のことあんまり知らないからてっきり竹だと思ってました。
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大石さん
竹の種類もさまざまですよ。 日本に古くから自生している竹は、真竹(マダケ)、淡竹(ハチク)、女竹(メダケ)なんかがそうです。あとは、江戸時代に中国から琉球、琉球から鹿児島へと日本に入ってきた孟宗竹(モウソウチク)。
色々あるんですね。笹と竹の見分けがつかないくらいだからなあ、多分、山の中で見ても見分けがつかないと思います。
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大石さん
見分け方はね、竹の節があるでしょう?
この節が、ひとつなのは孟宗竹(モウソウチク)。二つなのは、真竹(マダケ)、淡竹(ハチク)。
ほほう!それなら私にもわかりそうです!
大石さん
竹林の形成の仕方も種によって違い、実は大きく分けてふた通りあるんですよ。
地下茎という竹の根っこが、株立ちと言いますか、横に伸びて行かずに親竹からタケノコが株のように生えてくる種と、地下茎が横に広がっていくことで竹林を形成する種があります。
特に、地下茎が横に繁殖していく種で大半を占めているのが、孟宗竹(モウソウチク)。
この孟宗竹(モウソウチク)が繁茂している竹林が今、放置されて問題になっています。
さきほど、竹ストローは活動を認知してもらうために、とおっしゃっていましたが、ふじのくに竹王国企業組合さんは放置竹林の問題に取り組んでいらっしゃるんですね。
 

放置竹林の問題

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写真の向かって左が大石さん、右が前野さん

大石さん
私どもの活動は、放置竹林の再生、それに伴い、竹林を維持する際に出る竹を資源として産業の中に組み込む仕掛けをつくるということが根幹にあります。
前野さん
放置竹林は全国的にも問題になっています。平成30年度の市議会でも質疑が行われたのですが、放置された竹林が地滑りなどの災害を引き起こすとして問題になっているんですよ。
放置竹林ってそんなに問題なんですね。地滑りのこと、初めて聞きました。

全国のいろんな地域で放置竹林の問題はあり、行政がお金をかけて整備を行なっています。
浜松市でも、特に西区は放置竹林が問題になっているそうで私たちにも身近な問題なのだそうです。

行政の力で整備をしようというところまで問題は進行しているんですね。
効果の程はどうなんですか。
大石さん
それがそんなに減ってはいないんですよ。
昨年、議会で話題に上がったばかりとはいえ、それから1年経ちました。
放置竹林が減らないのはどうしてですか。
大石さん
それは、「竹の成長が早い」ことが大きな原因。
竹は3年で親竹になってタケノコを生み出します。竹の成長スピードに追いついていかないんですよ。
それは、竹ならでは、の難しさですね。
大石さん
でも、それは捉え方の違いで利点にもなりますよ。世界一成長の早い竹を資源として考えてみれば、こんなに都合のいい植物は他にないですよ。
使ってもすぐ生えてくる。
大石さん
そう。ちゃんと利用しようよ、というのが僕らの考えなんです。
今は、竹林から余分な竹を片付けようと思っているから、切った後どうするのっていうのが問題になって次に進まないわけです。

「竹語録」昔から伝わる管理方法

前野さん
どうして、放置竹林が土砂崩れの原因になってしまうかご存知ですか。
地盤がゆるくなって…? でも、おかしいですよね。
放置竹林って竹やぶみたいに、むしろ隙間なく竹も草も生えている状態ですよね。地面には通常よりもたくさんの植物が根を張って、地盤はむしろ固くなる気が…。
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大石さん
竹語録っていうのがあってね、
「1・2は残して、3切るな。4・5は使って、6は切れ。」っていう。
先ほど、竹は3年で親竹になるといいましたが、1年生・2年生・3年生までは親竹として山に残しておかなくてはいけない。お母さんになるまでタケノコは取っちゃダメなんです。4年生・5年生の成熟した竹はちょうど使いごろでさまざまなものに使える。
そんな語録があったとは知りませんでした。
大石さん
昔、愛媛県が日本一の竹産地だったんだけど、そこの人が教えてくれました。
この竹語録にしたがって昔は竹林を管理していたから、6年以上の竹はかつて山にはなかったんですよ。今の放置竹林には、10年〜15年の生命力がほとんどない竹がたくさんあるんです。
うわ〜。6年が節目だとしたら、その倍くらいの年月ほったらかしにしてしまったものがまだ生えているんだ!
大石さん
見た目には頭数がありそうに見えても、古い竹は根を深く張っていないから、土砂崩れや土壌の枯渇を招くんです。竹林が年老いて荒廃してしまっている、それが現代の竹林の問題なんです。
若い竹を残すということは、もうタケノコはしばらくは取れないんですか。古い竹でもタケノコが生えてくる奴は温存してとか…。
大石さん
古い竹からは美味しいタケノコはできませんよ。えぐみが強くなる。
思いつきでタケノコだけを収穫しているといずれ、美味しいタケノコは取れなくなっていきます。「今年は裏年だね」「今年は数が少ないね」と言い始めているところはほとんど管理ができていないことが多いですよ。美味しいタケノコを生み出す若い地下茎やタケノコの収穫を毎年続けていくための親竹のバランスが取れていないということですから。
竹林を若返らせないとタケノコも不味いものしかできなくなったり、ましてや収穫できなかったりするってことですね…。
大石さん
管理方法にしても、「タケノコを取るための管理方法」や「竹を材として取るための管理方法」など、詳しくありますから用途に合わせて管理の仕方も変えていきます。

竹林の委託管理も行なっているふじのくに竹王国企業組合。
地主と組合で協定書を交わし、5年間かけて竹林を若返らせて地主の元に返してくれる取り組みです。
管理費は1アールあたり5,000円。合わせて、竹林形成に関しての知識を伝授してくれます。
竹林の管理に困っている方はぜひ相談してみてくださいね。

 

竹を積極的に使っていこう

大石さん
かつてはいろんなところで竹が使われていたんです。家康がいた浜松はお城があって城下町があった。城下町には、竹炭を焼く職人や竹を加工する職人が必ずいたんです。竹は武器になったりしますし、そのために植えたという痕跡もあるんですよ。
建材としても使用されたり、身近な存在だったんですよね。
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写真は水鉄砲。昔からの竹を使った玩具は豊富。それだけ竹は身近な存在だったんですね。

大石さん
浜松ならでは、でいうと、浜名湖の周辺には竹でカゴを編む職人さんがたくさん居たんですよ。
竹カゴでうなぎを捕まえるとか?
大石さん
それもあるし、浜松から北海道までうなぎを生きた状態で運ぶのに竹カゴで運んでた。カゴの中にうなぎを入れてカゴの上に氷を置いて。そうすると、溶けた氷が竹を伝っていくでしょ?その水がうなぎの体につくことで生きたまま運べたんですよ。
なるほど〜!面白い!浜松城の周りは整備されて竹やぶを見ることはないですが、現代だとどのようなところに竹林はあるんですか。
前野さん
いわゆる里山で、民家の裏山に植えたケースが多いようですね。民家の近くだから、土砂崩れが起きた時に人が巻き添いになる可能性があって、緊急性が高い問題なんです。
大石さん
そう。だから、古い竹はどんどん切って使っていかなくちゃいけない。
でも、昔と同じような方法で消費しましょうというのは、さすがに無理がありますよね。
だったら、今の世の中にあった竹の利用方法を考えていこうというのでいろいろ私たち組合が活動しています。
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バンブーヨガ

女性や子供に人気なイベントが「バンブーヨガ」。浜名湖に竹でつくった筏を浮かべ、その上でヨガをするイベントで、浜名湖ボートクラブカナルのマリーナや浜名湖ボートレースの競走水面などで行われています。

大石さん
サップボードが今流行っていますが、竹の筏を使っても同じことができるのでは、と思い、始めたイベントです。海洋プラごみの問題などが巷で問題になっていますが、竹ならば環境負荷ゼロですからとてもエコです。
あとは、子供たちに向けて「竹は浮くんだ」という竹の性質についても知ってもらえればと思います。今の子はあまり竹に親しむチャンスが少ないから知らないんですよ。
私もみたことないです。竹の筏。
大石さん
防災の観点からも、浜松は浜名湖もあって海も近い。もしもの時に「竹が浮く」ってことを知ってもらえていれば、助かる場面に遭遇することもあるかもしれないから。知ってもらう、ということは大切だと思っています。

まだ実際に動いていないプロジェクトですが、浜名湖の潮干狩り復興に向けてのプロジェクトにも竹を利用するそうです。

大石さん
舘山寺町にある漁業組合の組合長をしてる人がうちの組合の理事の一人なんですが、この人を中心に竹を使って、アサリの再生をしようと計画が上がっています。

アサリの不漁が昨今問題になり、2019年は浜名湖での潮干狩りは中止になりました。
この状態を改善すべく、浜名湖の中に竹でできた「水どめ」を設置しようという計画があるそうです。「水どめ」は川の流れの速い所などに設置することで水の流れをコントロールするもので、水どめの後ろは水が渦を巻き水の流れが穏やかになり稚貝がつきやすくなるそう。

竹でつくるから、もし潮に揉まれ流されていってしまっても環境への負担はありません。
貝の赤ちゃんが育ちやすい環境をつくってやらねば、と発案されたそうです。長年漁業に携わってきた方々ならではのアイディアですよね。これから、水どめの設置と竹の水どめがアサリの再生や牡蠣の養殖に利用できるのかのエビデンスを大学などの研究機関とともに調べていくそうです。

竹を加工して使おう

さらに、竹の加工の技術を見せていただきました。

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竹でできた紙

こちらの竹でできた紙は裏表で、繊維の方向を違えて貼り合わせたもので、薄くて強度もある代物。
そして、下の写真の板は、全て竹で作られています。

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よく見ると竹の節が見える。

竹の加工ってそういうことか〜!竹細工みたいなものを想像してました。
大石さん
竹って、ここまで自由度のある素材なんですよ。竹は真ん中が空洞だから水に浮くし、軽く感じるけど、体積で見ると杉なんかの木材よりも繊維が密なんですよ。
矯め(ため)といって、火を入れ柔らかくし曲がりを直したりすれば加工もしやすい。火入れをすると強度が増します。竹は湿度によって伸び縮みしにくいので、定規の素材にも使われていますよね。素材としての良いところはたくさんあるんです。
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竹を等幅にカットする機械。

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カットされた断面

大石さん
これは、竹を縦方向に等幅に切る機械。理事をやっている組合員の一人で辻という者がいるのですが、株式会社テクノートという機械設計・開発の会社の代表取締役で、竹の厚みや幅を自由に加工して素材にできる技術を持っているんですよ。かつては、鳥人間コンテストにも関わっていて、携わった機体が優勝したこともあるのですが、その機体には竹のフレームが使われていたんですよ。
すご〜!さすが、企業組合。個々に専門分野を持った技術集団なんですね!
 

技術開発で竹が食べられるようになった!

大石さん
今一番、身近な消費方法で考えているのは「食」と結びつけていくことですね。
食!タケノコはわかるのですが、竹を食べるってイメージは正直ないですね…
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パウダー状だ。これ、竹なんですか?サラサラしてる。
大石さん
1工程で竹をパウダー状にするっていう技術がこれまでなかったんですが、刃物の知識を活かしてこれを可能にする技術を開発し、特許をとりました。竹をそのまま機械に通すとパウダーになるっていう仕組みで、大きさにしてだいたい5ミクロン。
5ミクロン!すごい。
大石さん
きっかけになったのが、競馬の走路。JRA(日本中央競馬会)が京都大学に依頼をして、たまたま竹の加工を専門にしてた私のところへ相談がきました。
ウッドチップ・コースというのが今でもありますが、当時は、砕いた竹を走路に撒いてやると柔らかくなるという風に言われていました。チッパーという、粉砕機で竹を細かくして撒いていたんですが、新しい竹のチップを撒くと馬の蹄に繊維が刺さって病気になってしまう馬もいて、もっと細かくできないかという依頼内容でした。
今では、竹パウダーは土壌改良剤として使われていますよ。
粉砕機でも砕ききれなかった竹の繊維ですが、食べても大丈夫なんですか。
大石さん
うちの竹パウダーは完全に粉になってて針状の繊維はありません。だから、動物の飼料にも使えるし、人間だって食べることができますよ。
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へー!飼料にも。竹を食べさせることで動物の体に良いとかあるんですか。
大石さん
竹をエサに混ぜたら獣医さんが来るのが1/3、1/5になったという結果もが出てます。
竹に含まれる成分は動物の体だけでなく、人間の身体にいいものがたくさん含まれていますよ。
乳酸菌、ビタミン、アミノ酸。あと、特筆すべきは食物繊維。レタスの80倍です。
竹の食物繊維は不溶性で水に溶けません。不溶性食物繊維は腸を綺麗にしますし、乳酸菌も含まれているので整腸効果も期待できます。
それはすごい。食物繊維は現代人に不足しがちとか言われてますし、食材として、竹は現代の食生活にこそ合っているのかも。
大石さん
あとは、竹は漢方にも使われています。淡竹という竹の葉は竹葉(ちくよう)といって発熱や喉などにもいいですよ。
竹に熱を加えると切り口から竹瀝(ちくれき)という液が出てきます。喘息の薬として使われたりもします。甘い味がしますよ。

竹の粉を発酵させた「孟宗ヨーグルト」という製品は、農業や畜産の方たちの間で、「環境や身体に優しい自然の土壌改良材」、「家畜の排泄物の脱臭効果&家畜の健康をサポートする飼料」として愛用者が増えています。

人間が食べられるだけでなく、家畜にも与えることができ、しかも、それが健康にいい。
「竹と食を結びつける」ということは、ただ単純に竹を人間が食べようということだけじゃなく、「竹が作り出した肥沃な土でとれた美味しい野菜」、「竹を食べて美味しく育った牛豚鶏のお肉を食べる」そんな、より深いところでの結びつきのことを指しているのだということを知りました。
竹が食に良い効果をもたらしてくれるのなら、どんどん竹と食のコラボを推進していってほしいなと思います。

竹が健康食品だったなんて知らなかったです。ますます食べてみたいなあ、竹。
前野さん
大石さんは淡竹屋という竹を使ったお料理が食べられるカフェも経営されているんですよ。

ということで、この日のランチを淡竹屋さんへ食べに行ってきました。

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淡竹屋(はちくや)

住所:浜松市東区有玉北町1300番地
営業時間:10:00〜14:00
定休日:日・月曜日/第1土曜日(年末年始・GW)
電話番号:053-434-3833

落ち着いた内装の店内。
店内入り口には、竹炭とペットのうなぎ、ウナ吉がお出迎え。

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竹炭は焼く温度によってその役割が違うのだそうです。一般的には、400度ほどの熱で焼かれたものはアルカリ性の物質を、800度以上の熱で焼かれた炭は酸化物質を吸収するそう。
竹炭をつくるのに土の釜を使うとのことで、土の釜は収縮膨張するので温度が一定でないと天井が崩れてしまいます。釜は地元の土でつくるので、地域によって最適な温度が異なるそう。
写真の空調炭はいろんな地域の釜の竹炭を集めたものなのだそう。淡竹屋で購入可能です。

淡竹屋では竹関連の製品の販売コーナーもあり、どの品も竹のプロである大石さんの選りすぐり。
高品質なアイテムが手に入ります。

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人間のための製品

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動物や植物のための製品

竹関連商品の中でも、ピンキリに分かれるのが竹炭と竹酢液なのだそうです。

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「竹酢液」とは、竹炭の製造時に竹の成分が蒸発し気体なったものを冷やし、凝縮したものですが、殺菌効果や虫除けなどの効果があります。身近なシーンとしてはお風呂に入れたり、化粧水をつくったりなどされる方も多いそうです。
淡竹屋で販売している「竹酢液」は、日本竹炭竹酢液生産者協議会の認定を受けています。「竹酢液」はつくるのが難しく、単純に竹を燃やした気体を凝縮しただけではタールが多く混じってしまい、あまりきれいな液ではなくなってしまうのだとか。
竹酢液を生成するための作り方があり、それを熟知して実践しているところの竹酢液でないと効能は薄いようです。

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床下に敷き詰められた竹炭

さすが竹の専門店。店内の内装には竹がたくさん。床下には1トンほどの竹炭が敷き詰められています。竹炭は調湿作用に優れていて、家の中の空気を快適にしてくれるそうです。また、床板も竹の床材。綺麗なフローリングで、教えていただくまで全く竹だと気がつきませんでした。壁紙にも、竹炭パウダーが漉きこまれているそうですよ。全国初のオリジナル壁紙とのこと。

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一部の椅子や机も竹!

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季節の竹籠御膳。8月のうなぎ御飯はなんと6年ぶりの復活

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竹炭うどん御膳。竹炭の色が綺麗。

こちらのソーセージですが、黒い方が竹炭入りの竹炭ソーセージ、ピンクの方が竹の粉が入ってる竹ソーセージ。

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写真の煮物のウズラの玉子は、浜名湖ファームのうずらの卵を使用しています。飼育環境に、かなりこだわって育てており、手作りのエサには淡竹屋の孟宗ヨーグルトも入っているんですよ。

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淡竹屋の人気メニューでもあり、浜松の郷土料理のおから寿司にも、もちろん「竹の粉」入り。

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テーブルには竹の粉を常備。追い竹の粉ができる。

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味はあまりしないので何にでも混ぜれる

コラーゲンを体内でたくさん作りたい方は汁物に、乳酸菌を腸に届けたい方はヨーグルトにかけて食べるのがおすすめなんだそうですよ。
淡竹屋の竹の粉は「淡竹」を使用しているそうです。

 

竹のテーマパーク「ふじのくに竹王国」を目指して

ふじのくに竹王国企業組合が目標とするのが、「竹を浜松の観光資源にする」こと。
山川海、全てが整っている浜松だからこそ、竹を資源として循環還元させていくことができる、とのこと。
その展望をお話いただきました。

浜松を年間を通してタケノコが収穫できるような大産地に

市内の竹林が若返えらせるにあたって、どんな未来が待っていますか。
大石さん
まずは、5年かけて竹林を若返らせていくときに、切り出した竹は材として活用していきます。その傍らで、その材を使ってバンブーヨガのような体験を通して活動を知ってもらるようにイベントも開催していきたいですね。浜名湖のアサリ再生の水どめのように、牡蠣棚や海苔養殖の支柱などにも活用していき、使用済みの竹も燃料やチップに変えて最後まで使います。
市内にまだどのくらいの放置竹林があるのかわかりませんが、みんなで協力して積極的に竹を利用していくのが近道なんでしょうね。
大石さん
どんどん使っていくことが大切です。竹を材として利用するためには冬の状態の竹が一番適しているので、冬に切り出しを行うのですが、竹切り体験として親子や若い方々にも体験してもらうようなイベントも行なっていますよ。冬の手入れされた竹林で読み聞かせや演奏会をするのですが、皆さん癒されたといってくれて大好評です。
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良いですね〜!
大石さん
手入れをして、5年くらい経てばその竹林からは美味しいタケノコが取れるようになります。その頃には、竹林も美しくなっていると思うので、嵐山の竹林の小道のような観光地にもなり得るのではないかなと考えています。みんなで集まってその場で竹を炙って竹瀝(ちくれき=竹を炙ったときに出てくる成分)をちょっと味わってみたりね、竹林ならではの体験で皆さんを楽しませたいですね。
夏の竹林は涼やかで絶対癒されますね。観光地になり得ると思います。若返った竹林でもどんどん4年5年生の竹は切り出して行かなくてはいけませんよね。そういった竹はどう活用していきますか。
大石さん
提携して家畜の飼料や畑の肥料として使ってもらえるところが増えていけば、ちゃんと捌いていくことができると思いますよ。それに、健康食品である竹を食べさせることでできた、美味しいお肉は浜松でしか食べられないってなったらどうです?それに、浜松ではどこでも、農薬やワクチンなどの抗生物質の少ない安全な食材が提供されるってなったら?
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食べる以外にも、竹炭にしたり、竹細工の商品を作ったりなど活用シーンは広い

それはブランドになりますね。動物の飼料にできるほど細かな粉状に加工できるのは特許をとってる大石さんの機械だけだから、他所には真似できないですもんね。
大石さん
ブランドとして盛り立てていくには、地域全体の協力が必要なんです。例えば、レストランで山で取れたタケノコ、竹を飼料にしたブランド肉や野菜、それと竹を加工した食器などがでてくるところがあったら、それだけでもう個性のある店になる。ちなみに、使用した食器は燃料やチップとして再利用できますよ。
エコも実践できる。
大石さん
市内のあらゆるところで、そこまでの道筋がつくれるようになっていったら、浜松はタケノコの大産地になりますよ。海のもの、山のものどちらも安全という風になったら、他県の方にも食目当て訪れてもらえるようになると思うんです。竹は、そんな未来の浜松をつくる一役を担える存在だと思う。

竹のテーマパーク「ふじのくに竹王国」

大石さん
あと、将来つくれたらいいなと考えているのが、竹のテーマパーク「ふじのくに竹王国」。竹林整備の体験ができるようなモデル竹林があって、年間を通してタケノコがとれて、竹の料理を食べられるレストランや、観光竹林が楽しめる様なね。建物も、もちろん竹を建材にしたバンブーハウス。
年間を通してタケノコが…?
大石さん
そうそう。夏や秋に収穫できるようなタケノコもあるんですよ。やりたいことは一杯ありますよ。竹を通して、畜産や農業をもっと盛り立てていきたいです。
放置竹林の問題が解消されれば、そんな未来も夢ではないかもしれないんですね。
大石さん
竹林が大きな災害を引き起こすなんて言われてしまうのは、僕らにとっては不本意。竹に合わせた管理ができていないだけだから。
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前野さん
地主さんも放置したくてしているわけではなくて、代替わりなどで元々伝わっていたものが伝わりきらなくてという現状があります。
でも、そういった状況であっても、浜松市には、ふじのくに竹王国企業組合がありますから。
先頭をきって活動してくれるのは市としても本当にありがたく思っています。行政が関わることで、「こういった団体があります」というのを広く知ってもらえたら嬉しいですね。
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大石さん
私たちがコツコツ今までやってきたことを理解してくれる前野さんがいて、いろんな方々と繋げようとしてくれることが本当にありがたいです。これからはもっともっと活動広がっていくと思いますね。
ほッと編集後記 ほッと編集後記

大石さんに言われて初めて気が付いたのですが、植物の中で名前が漢字の部首になっているものは、「米」「竹」だけなんだそうです。両者とも、日本人との関わりは古く、それだけ生活には欠かせないものだったということなんでしょうね。
放置竹林のお話を聞いている中で思ったのは、人工杉の問題に似ているな、ということ。時代の流れに沿って必要なくなり、山の手入れが行き届かなくなって売り物にならなくなり、そして放置されてしまい、土砂崩れや土壌の枯渇を招いていること。
ですが、杉は、木が苗木から材としての太さに成長するまで45年以上の年月がかかるのに対し、竹は4年、竹林は5年で若返らせることができるようです。5年をどう捉えるかはそれぞれだと思いますが、個人的には「竹が成長早くて良かった!頑張って取り組めば解決できるのかも」と思いました。継続して取り組んでいかなくてはならない難しさはありますが。
前野さんもおっしゃっていましたが、浜松にはふじのくに竹王国企業組合さんがいます。なんとかしようとしてくれる方々がいてくれるのってかなり心強いです。
私の世代は、竹でできたものに日常的に触れることがほぼない世代。定規もプラスチックやステンレスでした。今も十分海の幸山の幸に恵まれている浜松ですが、タケノコを含め、安全で美味しい食べ物があふれ、竹が観光資源になっている浜松を見てみたいなあ〜!

ふじのくに竹王国企業組合

〒433-8103
静岡県浜松市北区豊岡町364-5
url : https://bamboo7.hamazo.tv/
tel : 08041908177


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