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体験して損はなし!踏みしめて感じる無垢の良さ

浜松ものづくりプロジェクト運営事務局

環境にもやさしく、健康に良いものを生活に取り入れる手段として、家具や家のインテリアに木を選ぶ方が増えています。木の中でも人工的な加工をしていないものを無垢材(むくざい)といい、特に身体に優しいものとして関心を集めています。
人工的な加工とは、薄く切った板を張り合わせた合板(いわゆるベニヤ板)や、木目をプリントした化粧シートを張り合わせたようなプリント合板などのことをいいます。
それに対し、無垢材は天然の木から採れる1枚の板、一本の丸太から切り出された本来の姿そのものの材のことです。
そんな無垢材が多く取り入れられた家は、健康によく快適なことから多くの人に人気があります

ここ浜松にも、国内外の無垢材を扱う会社があるのをご存知ですか。
株式会社マルホンさん(以下同社)は主にフローリングやカウンター、内装壁材などのインテリア材を取り扱う会社です。

創業当時から、木材のプロフェッショナルが無垢材にこだわって世界各国から木質建材を直接調達しているとのこと。
今回は、浜松にある総面積600平米の広さを誇る同社のショールームを見学させていただきました!

見学させていただいたのは…

株式会社 マルホン

株式会社 マルホン

木質建材の輸入・企画・製造・販売を行なっており、無垢木材のインテリア材(フローリング・パネリング・モールディング[造作部材]・カウンター・階段材、塗料などの副資材 など)を主に取り扱う。

 

まるで木材の博物館のようなショールーム

いざ、ショールームへの前に…

ショールームのある建物の階段を登った最初の空間。アートギャラリーのような雰囲気でおしゃれ…!

国内外の木材をあつかう同社は、製品に使う木材の調達のためにアジアやヨーロッパなど、世界各国の様々な地域に視察に行くそうです。

私のような素人は「木材を選ぶのなら、サンプル送ってもらって日本で見るのではダメなの?」と思ってしまいますが、それでは情報不足。

木材のプロはもっと細かく丁寧に木材を選んでいるのです。
もっと細かくとは例えば、製品になった木を見るだけで終わらず、丸太の状態の木を見て同社で使うのに適した木材かを判断したりするそうです。
しかも、一回視察に行って終わりではなく、生産状況や丸太の変化を見るため、営業さんが定期的に通う とのことでした。
木材の高い品質を保つために、ここまでしているとは正直思いませんでした。
そして、さらに感銘を受けたのは、木材に責任とこだわりを持つこの視察のスタイルはずっと昔から続いているのだそうです。

同社の視察の歴史を感じさせる展示もありましたよ。

写真のポジフィルムがずらり

こちらのポジフィルムは先代の社長さんが視察の際に撮影したものなのだそうです。
写真には、視察に行った先の人々や木材が写っていました。
写真に写る人の笑顔が先代の社長さんのお人柄を思わせますね。

こちらは昔使われていた、木を加工する工具。
直線を削るカンナ、カーブを削る造作加工用のカンナなどが展示されていました。

レトロで可愛い昔のカンナ。

 

日本の大工さんが持っているカンナに比べて洋風なデザイン。ぱっと見、カンナとはわからず「これなんですか?」と思わず尋ねてしまいました。

 

ちゃんと裏に木を削るための刃が付いていましたよ。

これ、なんだと思いますか?

 

こちらの不思議な形の金具は昔、木材を積み込んだコンテナから大きな木材を運び出す時に使われた金具なのだそうです。そのため、金具に木材がくっついているんですね!

 

ちなみに、私は説明を伺うまで現代アートの木と鉄のオブシェだと思い込んでいました。

おしゃれな組み方のフローリングも展示してありました。

こちらの組み方は、長方形と正方形が上手に組み合わさってひとつのパターンを生み出しています。

 

こちらの長方形の板はヘリンボーン(※説明下記)という組み方で使用する板を応用しているそう。

 

複雑な模様なのにきっちりかみ合う正方形が見ていて気持ちいい。

こちらの組み方は、短い板がアクセントに。

 

すごいなあと思うのは、短い板がつくる列を少しずつずらして組まれていること!
これによりリズム感があるパターンになっています。

 

うーん、もはやアートですね、これは。

なるほど!
なにかに似ている!そんな発想が面白い模様

ヘリンボーン

世界中で親しまれる模様のひとつ。
開きにした魚の骨に似ていることから、
ニシン(herring)の骨(bone)という名前がつけられたそうです。
模様としては日本でも馴染み深い模様で、織物の世界では「杉綾(すぎあや)・綾杉(あやすぎ)」などと呼ばれるそう。建築の世界では、矢の末端の弓弦を受ける部分に似ていることから矢筈(やはず)模様というそうです。

高い技術が必要なフローリングの『組み方』

展示されていた繊細に組まれたフローリング。初めて見た人も多いのでは?
それもそのはず、このような複雑なフローリングの組み方は難しいのだそうです。
木材は湿気をよく吸収します。そのため、しっかり水分が抜けた木材でないと大きくずれて、かみ合わなくなってしまうのです。
株式会社マルホンでは、木材に独自の基準を設けています。その基準にはもちろん木材の含水率というものも含まれます。同社の基準を満たす木材は湿気の多い日本では数少ないため、原木を仕入れ、同社で乾燥させているとのこと。
さらに、しっかり水分が抜けていたとしても素材の性質上、多少の伸縮はあるもの。木の膨張収縮率は縦と横で違うためそこも考慮に入れて組まないとなりません
細かいパーツがいくつも組み合わさっているフローリングは0.1mmのズレも命取り。
わずか0.1mmでもズレが積み重なって行けばそのぶん誤差も大きくなってしまいますものね。
何気無く展示されてますが、このフローリングは高い技術力の結晶なんですね。

 

いよいよ中へ!の前に…

「この先がショールームになります。」そう案内された先には、やたら重厚感がある扉が…!

この頑丈そうな扉、実際に使われたコンテナの扉なのだそうです。
道理で重厚感が半端ないと思いました。でも、なぜコンテナの扉を?

木材の輸入も行なっている同社。
輸入木材と聞くと、「品質大丈夫なのかしら」、「貨物船に丸太を乱雑に積み込んで輸入している」などの
イメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

この扉には、「品質にこだわり視察を重ね慎重に厳選した木材を小さなコンテナに積み込んで運んできています。 」というメッセージが込められているのだそうです。

なるほど…! 木材へのこだわりが込められていたのですね!

 

総面積600平米の広さを誇る木材総合型ショールーム

ふぁ〜!広い!カメラの画角に収まらないくらい広い!

こちらではフローリングや壁材のサンプルを見ることができます。
靴を脱いで全てのフローリングを踏み比べることもできますよ。

いろんな木を一度に見ることができるのが面白く、全製品の説明を聞きたいところでしたが、ぐっと抑え、地元浜松市天竜区の天竜スギのフローリングを見せてもらいました。

比べて体感!木の種類によって違う「踏みごこち」

写真中央が天竜スギのフローリング

温かみのある色でナチュラルな印象の天竜スギ。
案内してくださった営業の村上さんに天竜スギの特徴をお聞きました。

村上さん
「スギの特徴としては柔らかさでしょうか。他の木とくらべて柔らかく、上を歩いた時に衝撃を吸収してくれるので、足腰に優しいです。
あとは、温かみを感じやすいところも特徴です。比べてみるとわかりやすいですよ。」

なるほど、では!と天竜スギのフローリングの上にお邪魔。
「あ!確かにあったかいぞ!」

今度はその隣のフローリングの上に移動。
「ん?ちょっと冷たい?」

また、天竜スギのフローリングの上に移動。
「ああ!これはぜんぜん違う。こっちの方があったかい。」

ここまではっきり感じるものだとは思いませんでした。
比べてみてはっきりわかります。スギはあったかいです。

なるほど!
なぜ、スギはあたたかく柔らかいのか?

スギに代表される針葉樹の構造にはダンボールのように大きな空洞があります。木の中にある無数の空洞に含まれる空気の層が厚いことが、断熱効果やクッション性、防臭性に繋がっているのです。
ナラやウォールナットなどの広葉樹は空洞が小さく密に詰まっているため重く硬いという特徴があります。その丈夫な特性を生かし家具などに使われることが多いようです。
何を求めるかにより、最適な木があるのですね。
まさに適材適所です。

株式会社マルホンの取り組みをご紹介

FSC®︎認証取得

株式会社マルホンで扱う天竜スギはFSC®︎認証を取得しています。
FSC®︎は森林の管理や伐採が、環境や地域社会に配慮して行なわれているかどうか、を国際基準で評価し認定する活動を行なっています。この認証がついている製品を購入することで、森林保全の取り組みをしている企業、そして、その活動を間接的ながら支援することができます。
完成までの過程の多い製品でFSC®︎認証を取得するのは、製品の製造過程に関わる全ての企業がFSC®︎で定められた基準を満たさなくてはならないため、大変なことなのです。
実は、株式会社マルホンは浜松市で一番はじめにこの認証を取得しているのだそうですよ。

ちなみに、このショールームで人気の木はヨーロピアンオークとのこと。

オークは日本語では楢(ナラ)の木のこと。
ヨーロッパではワインやウイスキーの樽としても使われる木だそうです。

じつは日本人にも馴染みがあるそうですが、なぜだかわかりますか。

「ナラの木とか身の回りにあったっけなあ。」と考え込んでしまいましたが、理由を聞くと納得。
プリント合板(ベニヤ板を張合せてつくった合板の表面に印刷加工したもの)などでプリントされる木の柄でポピュラーなのがナラの木なのだそうです。
プリントされた木目など普段は気にも止めませんでしたが、意外なところでお馴染みの木なのですね。

およそ360種類もある床材のサンプル

このショールームでは、およそ360種類の床材を直にみて触ることができます。
樹種だけでなく、塗装によっても仕上がりの風合いは違うもの。
実際に見て、触れて、踏みごたえを比べることで、妥協のない床選びができますよ
皆さんのご自宅にぴったりのフローリングを見つけることができると思います。

床暖房用のフローリングがある?

床暖房をご検討の方、床暖房用の床材でないと問題が起こりやすいこと、ご存知ですか。
一般的には、無垢材は床暖房への対応は難しいため、合板の表面に薄いシートを貼った突板(つきいた)や、厚い板を貼り合わせた挽板(ひきいた)の製品が多いそうです。

無垢材よりは薄いが、それでも一般的なフローリングより厚くつくられた同社の挽板

ちゃんと床暖房に対応するようにつくられたフローリングでないとどうなってしまうのか。
こちらのコーナーで実証されていました。

まずは床暖房対応のフローリングを使った正常な床がこちら。

この状態をよく覚えていてくださいね。

床暖房に対応していないフローリングを床暖房に設置してそのまま使うと…、

床暖房の熱で乾燥してしまったのか、中に打ったビスが見えてしまうくらい大きく隙間が空いています。
見た目も悪いし、裸足だったら怪我をしてしまいそう。
さらに、怖いのは湿度が高い時なのだそうです。その状態がこちら。

一見、不具合はなさそうだけど…

これ、湿度で木が膨張してフローリングの目地が詰まりすぎた状態なんです。
「目地が詰まってるぶんには別にそこまで悪影響ないのでは…?」
そう思い、聞いてみたところ、とんでもない!
木が横に膨張すると目地が詰まり、それがさらに進むと膨張しあった木同士がお互いに突き上げて割れてしまったり、最悪の場合、床全体が膨張し壁を圧迫してしまうこともあるそう。
隙間が空くよりも厄介な事態を招いてしまうのですね。

無垢だからこそ永く使える。

「無垢材って頻繁にワックスかけたりしないといけないんでしょ、大変そう。」そんな声をよく聞くそうです。

無垢材だからこそ、お手入れ方法を学べば、ちゃんと自分でお手入れをして永く使えます。 こちらのショールームではお手入れの仕方も教わることができますよ!

塗装によっての汚れ方の違いをみるためのサンプル

重りを落として木材をへこませる装置

汚れの落とし方、へこみの修復、日々のお手入れなど自分でできる補修の仕方を学ぶことができます。
無垢材を使ったフローリングはちょっとやそっとのことで張り替える必要はないのだそうです。

「手をかけて使い込む」ことができるのが無垢材の良さなのですね。

カウンターやテーブルも充実

このかわいいパーツは“ちぎり”と言って木材の割れが進まないように木の中に打ち込むためのもの。リボンのような形はよく見かけますが、金属でできたものも渦巻きや丸型などいろんな形があってかわいい!

こんなふうに使います。

みたことないような大きな無垢材!すでに売却済でした。
お店のカウンターに使われる予定とのこと。
お店ができたら是非取材に伺いたいですね…!

2007年度グッドデザイン賞 受賞

浜松本社ショールームは2007年度グッドデザイン賞を受賞しています。グッドデザイン賞は生活と産業のクオリティの向上に貢献する優れたデザインを表彰しています。東京にあるショールームも2015年度グッドデザイン賞を受賞しているんですよ。

セミナールームや団らんスペースも素敵

大きなショールームをぐるりと回った後は団らんスペースが。
この大きな器とこのハンドルのついた機械はなんだろう。
中をのぞいてみるとくるみがいっぱい!
一緒にはいっている木のサイコロはオーストラリア産のヒノキだそうです。
香りが強く防虫効果もあるそうですよ!

ということは、あのハンドルのついた機械はくるみ割り器。
ここのスペースでくるみを食べながら、ショールームで気になったことを聞きながら一息つけるそうです。
ちなみに、くるみの木も床材として扱っているそうですよ。

続いてセミナールーム。
セミナールームではハウスメーカーや設計事務所の方など、プロに対してのセミナーも行なっているそうです。
今年の6月には外部のインテリアコーディネーターによるミラノサローネ(毎年4月にイタリアのミラノで開催される、世界最大規模の家具見本市)の報告会を実施し、2日間で多くの人が報告会を聞きに来たそうです。

また、セミナールームの棚にはこれまでの視察で集めたという木材のサンプルが!

たくさんのサンプルの中から面白い木を見せていただきました!

こちら、世界一軽い木「バルサ」
模型飛行機に使われるそうです。カッターでも切れるそう。
持たせていただきましたが、普通の木だったら両手で持ってちょうどいいくらいなのに片手で軽々持てました

対するこちらは世界一重い木「リグナムバイタ」
昔は潜水艦のスクリューの軸受けなどに使われていたそう。
こちらも持たせていただきました。最初に「結構重いですよ」と言われ、それなりに覚悟して持ってみましたがそれでもやっぱり重たかったです。中に鉄でも入ってるのでは?と勘ぐりたくなるような重さでした。

こちらも変わった木「スネークウッド」
へびの柄みたいな杢目が特徴的な木で、紹介してもらった時には「おお!変わった木もあるもんだな」と面白がっていましたが、後日調べてみると、なんとレアな希少材! ステッキやバイオリン、ナイフの柄などに使われるそうです。
希少材のため、とても高価で「幻の銘木」と呼ばれることもあるそうです。
ひええ、知らなかった!無知とは怖いですね! 貴重な体験をさせていただきました!
ちなみに、持ってみたところ、結構重かったです。

 

帰り道にも発見が!

この階段の木目、こげ茶でとても綺麗です。
もともと、この木の木目はこげ茶じゃなかったそうなんです。
毎日たくさんの人がこの階段を使っていくうちに、木目にわずかな泥や砂が入り込み、このような綺麗ではっきりとした木目に変化していったそうですよ。
使い込むことで味が生まれるって本当なのですね!

ほッと編集後記 ほッと編集後記

木材のことに詳しくない私でもたくさんの種類の木に囲まれて、お話を聞いたり、触ってみたりと実際に体験しているうちに、木の世界へみるみる引き込まれました。 今回は木をフローリングという状態を通して体感してみたわけですが、素足で自分のお家以外のフローリングに立つという機会ってほとんどないですよね。

 

いろんなフローリングを素足で踏むことを私は「フローリング経験値」と呼びたい!そして、そのフローリング経験値を養う場は意外と少ない!と思うのです。

 

なぜ、「フローリング経験値」なんてことを言いだしたかというと、無垢のフローリングの良さは靴をぬいで踏みしめてこそわかるのだと今回の取材で痛感したからです。

 

杉のあたたかさも手で触るだけだと、「あ〜、なんとなくわかります。」だったのが、いろんな種類の木でできたフローリングを比べることではっきり「あ!あたたかい!」と感じることができました
自分の中に経験がないと、何がどうかなんてわかんないですよね。さらにいうと、比べてみないとはっきりした実感なんて湧かないです。
無垢材ってどんな感じか気になる方や無垢のフローリングを検討されてる方は体験してみて損はない!
というより、学びがある!
「フローリング経験値」の少ない方こそ、ぜひ体感してほしいです。


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