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天竜ひのきでもらって嬉しいノベルティグッズ

浜松ものづくりプロジェクト運営事務局

みなさん、間伐材とは何かご存知ですか?
森林の木を健全に育てるために、必要な作業である「間伐」。
間伐は、ちょうど植物でいう間引きのように、森林に十分な日光や根を大きく張るのに十分なスペースを確保するために行われます。
この間伐によって生まれた材を「間伐材」といいます
間伐された木は成長の途中で幹が細いものも多いため、建材としては使えません。かといって、森にそのまま横たわらせておくのはもったいない!ということで間伐材として活用していこう、という動きが活発になっています。

家具や雑貨、割り箸や紙製品など広く使われる間伐材ですが、その中で少し変わり種?
間伐材を使ったノベルティをご紹介します。

お話を伺ったのは…

株式会社 KPI forest of earth

木材のプレス加工を強みとし、間伐材利用製品主に絵馬、うちわなどの雑貨、ノベルティの製造・販売を行う。国産間伐材での商品開発にも取り組む。

 

あたたかみをプラス!木でつくるノベルティ

ノベルティとは記念品やキャンペーンなどで無料配布するためのものです。
わたしたちが目にするノベルティの中で馴染みがあるものといえば、よく駅前なんかで配っているティッシュやボールペンなどがありますよね。

これ、本当にノベルティ? 思わず欲しくなるような「木のノベルティ」を見つけましたよ♪

木のぬくもりがあるノベルティで、みんなのこころに残る記念品はいかがですか。

  • コースター
  • リーフレットスタンド
  • 絵馬
  • しおり
  • バッチ(丸型)
  • バッチ(型オリジナル)
  • うちわ
  • 扇子
  • マウスパッド
  • バッジ(既存型)
  • レーザー加工
  • コースター(非売品)

こんなにたくさんのグッズが!!
主に広告やキャンペーンなどに配布されるものが多いですが、イベントなどで漫画やアニメ作家さんが自分の作品のキャラクターをあしらった絵馬やバッジを配るために発注したりと、様々な需要があるようです。

 

工場を見せていただきました

レーザー加工機やプレス機で木材をカットし、製品がつくられます。
金属プレス用の機械で、木材のように柔らかい素材をプレスするには特殊な技術が必要なんだそう。
本日は、かわいいグッズを次々生み出すその工場内を見せていただきました!

木材をカットするプレス機

こちらがプレス機!大きい!

株式会社KPIさんは、もともと鉄や非鉄金属のような硬い素材を扱うプレス工場だったそうです。
今では、間伐材ノベルティ事業部「forest of earth」が設立され、地元天竜ひのきを用いたノベルティグッズは主力商品に成長しています。
天竜ひのきの間伐材を使ったノベルティグッズを専門に取り扱う企業は、今のところ浜松ではここだけなんですよ。

ノベルティグッズを製作するようになった経緯を代表取締役の小掠(こがすみ)さんにお伺いしました。

小掠さん
実は、最初からノベルティ事業を始めようと思っていたわけではなく、ある出会いがきっかけになったんです。
天竜にある豊富な木材をもっと活用したいという想いから、松下政経塾のある学生さんが「発泡スチロールのトレイの代わりになるものを木で作れないか」と考えていたそうなんです。
そして、薄くカットした木のトレイを作ろう、というアイディアを思いつき、そのアイディアを材木屋さんに相談したそうなんです。
それならば、木のトレイを作ることのできるプレス屋の協力が必要だということで、もともとその材木屋さんと知り合いだった私に声がかかり、ご紹介いただいたというのがきっかけなんです。

木のトレイがきっかけだったとはなんだか意外!
木のトレイからどうやって今のノベルティ事業に繋がっていったのでしょうか。

小掠さん
トレイにするような薄い木材を切り出すのは実はすごく高い技術のいることなんです。
製品を作り出すのは成功したのですが、その薄い木材のコストとプレスするコスト、なかなかコスト感が見合わなくなってしまい、トレイの商品化は実現しませんでした。
ですが、そのお皿をつくる過程でうまれた金型を使って、うちわを作ったんです。
そちらが注目され、次第にたくさんの方から発注をいただくようになりました。

木のトレイの金型がうちわの金型に!発想の転換ってすごいです。
最初の目論見通りには行かなかったけれど、新しくチャレンジしたことで新たな製品誕生のきっかけに繋がっていったのですね。ロマンがあります!
でも、新しいチャレンジにはリスクがつきもの。新しい素材に抵抗はなかったのでしょうか。

小掠さん
金属を扱っていた頃は素材を木にしてプレスする発想は全くありませんでした。
金属のような硬い素材とは全く異なる未知の素材である木材を扱うことに当初は不安もありましたが、当時はリーマンショックの真っ只中で発注が激減していたんです。
ですから、藁をも掴む気持ちでした。それに、新しいことに挑戦して技術を磨くことで会社としてのステップアップになるのではと思い、やってみようということになったんです。

「ピンチをチャンスに変える」ってこういうことを言うのですね。
残念ながらトレイは実現しませんでしたが、きっかけはどのようなところに転がっているかわからないから面白いですね。
金属を扱っていたプレス工場が間伐材ノベルティ専門店へ転進した謎が解けました!

全国各地から集まる!素材となる木材

こちらがうちわや扇子をつくる木材。すごく薄くカットされています。
なんと薄さ0.8mm程度
こう積み重なっている様子をみても、板というよりは紙に近いですね。
ここまで薄くカットするには高い技術が必要とのこと。
浜松にもかつて、この薄さでカットのできる工場があったそうですが、なくなってしまい、今は静岡県牧之原にある工場にお願いしているそうです。

「地元の間伐材で作りたい」という要望が浜松市以外の都市にもたくさんあるそうで、工場には、愛知、埼玉、群馬など全国各地の木材がたくさん。

こうした地元の木材を使いたいという要望を持つお客さんが木材が持ち寄るのだそうです。

かわいいカタチの切り抜きがいっぱいの工場

代表取締役の小掠さん

工場には、かわいい形がくりぬかれた後の木材がいっぱい!
これらの切り抜かれた木材はバッジやマグネットになるんだそうです。

あ!ここにもくまさんとうさぎさん発見!

カットされた絵馬を発見。

ミニサイズの絵馬も。ちっちゃくてかわいい

その差1cm以上?湿気と木材

大気中にある湿気を中に取り込む木材は、湿度の状況により形が変化します。
晴れの日と雨の日では1cm以上大きさに変化があるそうです。
例えば、湿度の高い雨の日に正円をプレスし、乾燥した晴れの日にその打ち抜いたものを見てみると木材が収縮し長丸になっていた、なんてこともあるそうなんです。
鉄にも伸びはあるそうですが、木材ほどは大きく伸びることはないため、最初はその形のズレに驚いたそうです。
株式会社KPIさんでは、湿度60%以上の時はプレスを行わないのだそうです。
天候でここまで大きさが変わるのは自然素材の木材ならではの現象ですね。

レーザー加工とプレス加工

こちらがプレス加工されたものとレーザー加工されたものなのですが、どちらがどちらかわかりますか?

フチが白いのがプレスカットしたもの、フチが茶色いのがレーザーカットしたものなのだそうです。

レーザーカットはレーザーで木材を焼き切るため、少しフチが焦げるのでこのような違いがでるそうですよ。 レーザーカットの特徴として、火が通るので強度が増します。また、すこし焼くことで香りがたつそうで、ひのきのいい香りが辺りに広がるそうです。

プレスの方は、そのまま打ち抜くので色は白いまま、木の素材そのものが楽しめるそうです。 どれどれ…と触ってみると確かにレーザーの方は触った感じ硬く、プレスの方は生の木の柔らかい感触でした。

どうカットするのかで出来上がりが変化するのも面白いですね。

レーザー彫刻を施すものはまわりが汚れないようにマスキングをするそうです。

ペリペリッとはがすと…

マスキングを剥がして、綺麗な木肌が見えた時は思わず感動。

うわー!きれい!

工場内には金型もありました。いままで作った金型がたくさん!
プレス機で木材をカットするには専用の金型が必要です。
板厚と金型のバランスが最適になるまで試行錯誤を繰り返して今の形にたどり着いたんだそう。

廃棄物ゼロを目指して

基本、鉄を扱うプレス工場は、製造工程で産業廃棄物を出さないのだそう。
理由は聞いてなるほど、鉄はまた溶かすことで再利用可能なのでゴミはでないとのこと。
木材に関しても、同じことが言え、製造過程で出た木材を再利用することで廃棄率0を目指しています
例えば、型を打ち抜いた後の板はボイラーの燃料にしているそうです。

コンテナに積まれ集荷待ちの製造過程で出た木材

木材を扱う企業みなさんに言えることですが、最後まで資源をしっかり有効活用していく姿勢が素敵ですね。

 

天竜産の間伐材を知ってもらう!取り組みにも参加

天竜間伐材プロダクトデザインコンペティション

平成28年には「天竜産の間伐材」を活用するためと認知を広げるための取り組み として、デザインコンペティションを開催。
株式会社KPIさんは審査員と受賞作品の製作で参加しています。
こちらの製品は実際の受賞作品で大賞を受賞した、田中理央さんの作品の 「Sikiter」というつながるコースターです。
東京ビッグサイトで行われた「第82回東京ギフト・ショー」にて展示と配布されたそうです。
さらに、その年の「やらまいかミュージックフェスティバル」にて、県外から来て頂いた方を対象に配布したそうです。

つなげることでコースターにもプレースマットにもなる優れもの

プロダクトデザイナーさんともコラボ

プロダクトデザイナー兼イラストレーターとして各方面で活躍するSu Rue design(スールーデザイン)代表 smito.iida(イイダスミト)氏とのコラボレーションした製品も!
こちらの製品は「国産経木のフラワーシャワー」。
お花以外にも富士山や打ち出の小槌、亀、クローバーなど縁起のいいモチーフの形も入っていますよ。
結婚式などでフラワーシャワーの花びらに混ぜたらすごくかわいいですね!
株式会社KPIさんのウェブサイトからお問い合わせできますよ!

ほッと編集後記 ほッと編集後記

もともと鉄や非鉄金属を扱うプレス工場だった株式会社KPIさん。
お話を伺う中で印象的だったのが、
「木材は面白いです。母材の節目や木目など、ひとつひとつが違うんですね。母材によってもそうですし、プレスする場所によっても出来上がりが違ってくる。鉄は逆に全く同じものでなくてはいけないんですよ。ひとつひとつが違ってしまったらそれは不良品なんです。木材は同じものがひとつとしてないのが、つくっていてすごく面白いし新鮮なんです。」
という言葉でした。
新しい素材を扱うことは試行錯誤の連続だったろうと想像します。しかし、それを乗り越えた先に感じることのできるその素材の魅力や面白さを楽しそうに語ってくださるその姿に、ものづくりに心から真摯に取り組む姿をみることができ、とても勇気をもらった取材でした。


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