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プラズマ切断機で"アイアンドアベル"をつくる

浜松ものづくりプロジェクト運営事務局

 

第12回「浜名湖アート・クラフトフェア」に行ってきました!

第12回「浜名湖アート・クラフトフェア」に行ってきました!
浜名湖ガーデンパークにて開催されており、静岡県内ならず全国からものづくりを専門とした作家さんたちが自らの作品を展示・販売します。

国内でも最大級のクラフトフェアで今年は300以上の出展者が参加していました。
「金属」「陶芸」「皮革」「布・染色」「ガラス」「木工」「プラスチック」などなどジャンルも様々でみていて「かわいい!ほしい!」と思わず手にとってしまうものばかりでした。

  • 持舟窯(もちぶねがま)の東川さんの作品
  • 丸太房(まるたんぼう)の長谷川さんの作品

多種多様な作品たちをみてまわるのも十分楽しめますが、「自分でも何か作ってみたい!」
今回のお目当はワークショップ!

会場には色砂とガラス細工を組み合わせたキャンドルをつくるワークショップや今流行りのドライフラワーをつかったハーバリウムやサンドブラストで模様をつくるガラスアートなど自分だけのかわいい小物が作れそうなワークショップがいっぱい! できれば普段自分では絶対にできそうにないものがいい!ワークショップコーナーをぐるりと回って「これだ!」と思うものを見つけました!

 

プラズマ切断機で“アイアンドアベル”をつくる

「なんかスゴそう!!!プラズマ切断機ってなんのことかわからないけどなんかスゴそう!」
ということで飛び入り体験!

このワークショップを開催していたのはアイアンクラフトじんぱちさん。
ショップの看板やお庭の門扉などのエクステリア、スツールや照明などのインテリアなどのアイアン製品を手がけています。 オーダーメイドに対応していて既製品ではないあなただけの一点もののアイテムが注文できます。

「アイアン製品」とは何か?そのまま、鉄を使った製品なのですが「ロートアイアン製品」というのが丁寧な言い方でヨーロッパの文化として発展してきた錬鉄製品のことを指します。 別の言い方でいうと鉄を鍛造して作られた製品ということになります。 ちなみに鍛造とは金属加工法の一種で熱した金属をハンマー等で叩いて圧力を加える事で強度を高めると共に目的の形状に成形する方法です。

「アイアンクラフトじんぱち」さんの製品はハンドメイドでつくられています。
大量生産されたものにはない「手作り」の温かさを感じるアイテムが魅力です。

そして、工房ではワークショップも毎月開催されています。
アイアンクラフト系のワークショップで毎月開催はここだけなのだそうです。 工房では「溶接教室」(本格的!)も開催されています。 気になる方は是非チェックしてみてください!

さて、今回のお題は「アイアンドアベル」。ワークフローはというと、

  1. サンプルからデザインを決める
  2. プラズマ切断機で鉄板を切る
  3. 麻紐とベルをつける
  4. 完成!!

箇条書きにする限りは簡単に聞こえますが、初心者でも出来るのか!?
いざ、体験です!
いくつかあるサンプルの中からツリーとお月様のセットをチョイス。

他にもかわいい型紙がたくさん。どんな型紙があるのかは実際に体験して確かめてみてくださいね!

1. 型紙を使い鉄の板に形を転写する。

ポイント端に寄せて転写することでカットする面を少なくしたり、距離を短くすると楽♪

2. プラズマ切断機で鉄の板をカット!

さあ、出ました!プラズマ切断機!
右の写真に写っている機械を使って鉄の板を切断します。プラズマの力を使って硬い鉄を切断するのですが プラズマの力ってどんな力なんでしょうか?

プラズマというと身近なもので「プラズマテレビ」なんかを思いつく方は多いのではないでしょうか。
プラズマテレビの仕組みは向き合う二枚のガラス板の内側に電極を配置し、ガラス板の間に希ガスを封入します。この電極から電圧をかけると放電します。(放電とは気体の中で電流が発生する現象)その放電のが出す紫外線を使って発光させ鮮明で立体感のある映像を作り出しています。 プラズマ切断機も空気に放電することで鉄などの硬い物質を切断しています。一般的に私たちの肌に触れている空気は電気を通しません。 もし、大気中の空気が電気を通してしまったら静電気が起きただけでそこら中に放電し大変な騒ぎになってしまいますよね。 ですが、この空気に熱を加えるとその空気は電気を通すようになります。

物質は熱を加えると状態が変化します。水を例にするとわかりやすいのですが、冷凍庫から出した氷は「固体」の状態です。それを火にかけると、溶けて水になります。この状態は「液体」です。
さらに、熱し続けるともくもくと水蒸気に変わります。この状態は「気体」です。通常私たちが自分で実験できるのはここまでですが、水蒸気をさらに熱し続けるとさらなる変化が起こります。
水を構成していた分子が解離し、原子核の安定した軌道をまわっていた電子が軌道を外れ自由に飛び回るようになります。その時、安定していた原子のバランスが変わり電子と原子核は電気を帯びるようになります。その状態になると空気は電気を通すことができるようになるのです。この状態を個体、液体、気体とはまた異なる性質をもつ状態として「プラズマ」と呼びます。 このプラズマ化した空気、またはガスに電圧をかけ連続的に電流が流れるようにすることを気体放電と呼びます。この仕組みは金属加工をする際によく使われる仕組みで、代表的なものの一つに「アーク放電」があります。溶接や金属加工に利用されています。プラズマ化した気体にはものすごいエネルギーが注ぎ込まれておりそのエネルギーを使って鉄を溶かして切るのがプラズマ切断機の大まかな仕組みです。

スタッフさんに教えてもらいながら切断

噴射口から空気が吹き出していて(制御はスタッフさんがやってくれていました)手に持つ部分にスイッチがあります。
力は必要なくノズルの重みで板を抑えるくらいの感覚で噴射口と板を垂直に、ノズルの角度を垂直にまっすぐ保つのがコツとのこと。

綺麗に切るにはスピードもコツで、ノズルを動かすのが早すぎると鉄が溶け切らず切断できない、ゆっくりすぎても切断面が少しいびつになるので一定のスピードを保つことが大切なようです。

噴射口は温度が高く危険なためグローブとエプロン、さらに加工の際に火花が散るためゴーグルをつけます。

垂直水平を保ちながらノズルを移動させるのが少し難しかったのですが、初めてでも十分に楽しむことができました。
また、「力は必要ないなら大丈夫!」と始める前はリラックスしていたのですが、加工の際に出る火花が大きくなる瞬間にドキッとして体に力が入ってしまうのが難しいところ。 「今度はこういう風に切っていこう」などスタッフさんが指示をくれるので安心して「切る」ことに集中できました。
さらにスタッフさんが褒め上手で「うまいうまい!」と褒めてくれるのが何よりも嬉しかったです 笑

コンパクトで可愛い外見のプラズマ切断機「SUZUKID」

3. カットした板のバリを取る

熱で溶かした板の切断面には溶けた鉄がこびりついています。 その余分な部分を「バリ」といいます。

溶けた鉄がくっついたのを剥がすのって大変なのでは…? と思っていたのですが、ペンチで軽くめくるだけで取れるとのこと。 実際に見せてもらいましたが「パリッ」と気持ちよく取れました。

ちなみにですが、
その昔「バリ」は「かえし」と呼ばれていたそうです。 なぜ「バリ」という言葉が広まり定着したのか? 「バリ取り作業」というものは地味で作業として一段低くみられていた時期があったそうです。 直接的にものを加工する溶接やスライス、旋削加工などが自動化されていく中、 素材や加工方法に臨機応変に対応しなくてはならない作業の多様さなどからも機械化が難しく、手 作業に依存していたのも一因として「バリ取り」は、あまり省みられなかった工程でした。 しかし、アメリカで「burr technology(バリ・テクノロジー)」という考えが注目され始めます。 今まであまり重要とされなかったパリ取り作業を他の作業と同一レベルにある重要な工程とみなし、 他の工程と同じように最適化するべきだ、というその主張は日本にも広まり、 それとともに「バリ」という言葉も定着していったそうです。

4. 紐を通すための穴を開ける

ドリルプレスという機械で鉄板に穴を開けます。

5. バリ取りした後のざらついた表面を研磨する

余分だったバリが取れて綺麗になった断面ですが、手で触ってみるとザラザラとした手触り。 そこで、ディスクグラインダーという先端工具の砥石や刃物を換えることで「研磨」も「切断」もできる電動工具でザラザラを磨いていきます。

この作業はスタッフさんがやってくださったので、その合間にブースを見学。 かわいいイラストや、手書きの看板がおしゃれ。

面白いものも発見!

このかっこいい仮面のようなもの(スターウォーズにこんな風貌のキャラいたような…)は なんと溶接に使うマスクとのこと。 あれ?溶接マスクってアニメとかでみる限りは、片手で持つイメージがありましたがこれは随分イメージと違います。 かっこいい。 この溶接マスク、なんと自動で遮光するタイプなんだそう。

おなじみの片手で持つ昔ながらの溶接マスクは当然のことながら自動では遮光してくれないので 火花からは目を守ってくれますが、火花が散っていないときは暗くて周りの景色が見えない! 自動遮光するタイプは周りの光に合わせて遮光してくれるので 火花が散っていないときは普通に周りの景色が見えて安心。 両手も空くので初心者には安心安全ですね。

 

作品とご対面

そうこうしているうちに出来上がりました!アイアンドアベル!

実際に手に取るとやはり愛着が湧きますね!

この日、ブースでは小学生くらいのお子様もアイアンクラフトにチャレンジしていました。 一見、難しそうなアイアンクラフトでしたが、スタッフさんが丁寧に教えてくれるので 安全にかつ楽しく作ることができました!

「アイアンクラフトじんぱち」さんによる、次回のワークショップは10月21日(日)「選べる! アイアンワークショップ」。
鉄と木のスツールやエッグバスケット、チョークボードなどなど、6つのアイテムの中から好きなものを選べるそうです。 興味のある方は是非「アイアンクラフトじんぱち」のサイトをチェックしてみてください!


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